こんにちは松井です。
今回のテーマは「ローソク足」です。
「今さらローソク足か……」と思う人も多いかもしれません。
とはいえ、僕はローソク足をとても重要視しています。
取引では必ず根拠を持ってエントリーしますが、その中でも連続した複数のローソク足のパターンから判断することが、一つのプライスアクションになるからです。
プライスアクションとは
「プライスアクション」とは、直訳すると「値動き」のことで、文字どおり値動きに注目して判断する手法のことです。
この記事では、ローソク足の種類や読み方といった初心者に向けた知識だけでなく、一つの事例をもとに、ローソク足のパターンを分析して判断する方法を紹介します。
ローソク足を初めて勉強する人から、すでにトレードをしている人まで、本質的な部分を理解できる内容になっているので、ぜひご覧になってください。
この記事で得られること
- ローソク足からトレーダーの心理状態がわかるようになる
- より強い根拠を持ってエントリーできるようになる
目次
ローソク足とは?
「ローソク足」とは、一定期間の相場の値動きを棒状の図形で表したものです。
ローソクの形と似ていることからこの名が付きました。
江戸時代に米商人の本田宗久が考案したとされていて、今では「キャンドルスティック」として世界中で使われています。
ポイント
ローソク足が集まったチャートのことを「ローソク足チャート(キャンドルチャート)」といって、FXの取引ではもっともポピュラーなチャートの一つです。
時間足
一本のローソク足が表す期間のことを「時間足(じかんあし)」といいます。
たとえば、一本のローソク足が一日の値動きを示すなら「日足(ひあし)」、一週間の値動きを示すなら「週足(しゅうあし)」です。
このほかにも、期間によってさまざまな種類があります。
- 4時間足
- 1時間足
- 15分足
- 5分足
など―
ローソク足の読み方
一本のローソク足には、次の4つの情報が含まれています。
ローソク足に含まれる4つの情報
- 始値(OPEN)
- 終値(CLOSE)
- 高値(HIGH)
- 安値(LOW)
ポイント
- 始値よりも終値が高い場合を「陽線」
- 始値よりも終値が安い場合を「陰線」
といいます。
ここでは陽線を「赤」、陰線を「青」で表しましたが、配色が決まっているわけではありません。
ローソク足の各部名称
ローソク足は、次の3つの要素に分解できます。
ローソク足に含まれる4つの情報
- 上ヒゲ
- 実体
- 下ヒゲ
上ヒゲ
「上ヒゲ」は、高値と終値の価格差を表します。
上ヒゲが長いほど、つまり高値と終値の価格差が大きいほど、「売りの抵抗が強い」と言いえます。
一時的に高値を記録したものの、その後売りの勢力が強まったということです。
実体
「実体」は、始値と終値の価格差を表します。
実体が長いほど、つまり始値と終値の価格差が大きいほど「上昇力(下降力)が強い」と言えます。
ポイント
始値と終値が同じ場合は実体がなくなります。
「十字線(同時線)」と呼ばれる状態です。
下ヒゲ
「下ヒゲ」は、始値と安値の価格差を表します。
下ヒゲが長いほど、つまり始値と安値の価格差が大きいほど、「買いの抵抗が強い」と言えます。
一時的に安値を記録したものの、その後買いの勢力が強まったということです。
ポイント
ヒゲは「影」と呼ばれることもあります。
この場合、上ヒゲは「上影(うわかげ)」、下ヒゲは「下影(したかげ)」です。
ローソク足の中身
文字だけの説明だけではわかりづらいと思うので、図を使いながら時系列に沿って説明します。
陽線の場合、価格の推移は次のようにイメージすることができます。
ポイント
- 始値からいったん下落して安値を記録したあと、
- 一気に値上がりして高値を記録して、
- 最後に押し戻されて終値を記録した
あくまでイメージなので、必ずこのとおりになるわけではありませんが、一本のローソク足から、価格の推移をイメージすることが重要になります。
今注目しているローソク足が1時間足なら、そこには15分足4本分、5分足なら12本分の情報が含まれているということです。
ローソク足は、いわば、「売り勢力」と「買い勢力」が戦った足跡と言えます。
ローソク足の種類
ローソク足は、「上ヒゲ」、「実体」、「下ヒゲ」それぞれの長さから、いくつかの種類に分けられます。
今回はその中でも基本的な4つの形を紹介します。
ローソク足の基本形
- 大陽線・大陰線
- 小陽線・小陰線
- 上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線
- 下ヒゲ陽線・下ヒゲ陽線
これら4つの本質を理解すれば、値動きのパターンからシグナルやサインを見出して、さまざまな状況に対応できるようになります。
大陽線・大陰線
「大陽線」と「大陰線」の特徴は、実体が長くヒゲが短いこと。
始値と終値の価格差が大きかった、つまり、買い勢力(売り勢力)がとても強かったことを意味します。
ポイント
とくに上下のヒゲがない場合を「丸坊主」といって、一方的な値上がり(または値下がり)があったことを意味します。
小陽線・小陰線
「小陽線」と「小陰線」の特徴は、実体とヒゲがともに短く、上下の幅が狭いこと。
その形から「コマ」とも呼ばれます。
値動きが比較的小さかった、つまり、トレーダーや投資家たちの間に迷いがあったことを意味します。
上ヒゲ陽線・上ヒゲ陰線
「上ヒゲ陽線」と「上ヒゲ陰線」の特徴は、上ヒゲが長いこと。
一時は買いの勢力が優勢で高値を記録したものの、その後売りの勢力が優勢になって大きく押し戻されたことを意味します。
ポイント
上ヒゲ陽線や上ヒゲ陰線が高値圏で出た場合、「下降トレンド」へ転換するサインになることがあります。
ポイント
上ヒゲが長く下ヒゲがないローソク足のことを「トンカチ」といいます。
下ヒゲ陽線・下ヒゲ陽線
「下ヒゲ陽線」と「下ヒゲ陰線」の特徴は、下ヒゲが長いこと。
一時は売りの勢力が優勢で安値を記録したものの、その後買いの勢力が優勢になって大きく押し戻されたことを意味します。
ポイント
下ヒゲ陽線や下ヒゲ陰線が安値圏で出た場合、「上昇トレンド」へ転換するサインになることがあります。
ポイント
下ヒゲが長く上ヒゲがないローソク足のことを「カラカサ」といいます。
ローソク足の応用
ローソク足の基本を踏まえたうえで、実際の取引でどのように判断していくかを見てみましょう。
今回は、ローソク足の中でも大陽線と大陰線に注目して解説していきます。
まず復習になりますが、大陽線・大陰線とは、一定の方向に勢いを持ったローソク足のことです。
ただ一つ注意したいのが、「買い(または売り)の勢力が強い」だけだと、根拠を持ったエントリーは難しいということ。
たとえば、レンジ相場で大陰線をつけた場合は、そこが「ブレイクポイント」になって、「下降トレンド」のシグナルととらえることができます。
反対に大陽線をつけた場合は「上昇トレンド」のシグナルになります。
高値圏で大陽線をつけた場合は、反転して下降に転じるととらえることができます。
こちらは、実際のチャートです。
A地点では、大陰線をつけたにもかかわらず上昇に転換していますよね。
B地点では、大陽線をつけたにもかかわらず下降に転換しています。
高値圏の大陽線が反転のシグナルになる理由
というわけで、高値の大陽線が反転のシグナルになる理由を解説します。
あくまで「僕の考え方」なので、一つの参考にしてください。
まず前提として、FXの取引では常に、「買いたい人」と「売りたい人」がいます。
ポイント
- 安く買って高く売りたい人たち
- 高く売って安く買い戻したい人たち
売りポジションを持っている人たちは、「相場が下がる」と予想したわけですが、予想に反して相場が上がってしまった場合、どこかの段階で「損切り」しなければなりません。
このチャートの場合、「レジスタンスライン」が、売りポジションを持っている人たちの損切りのラインになったのではないかと考えられます。
大陽線の手前のローソク足に注目してみると、長い上ヒゲをつけていることがわかります。
つまり、レジスタンスラインに近づくにつれて、「買い勢力」が弱まって「売り勢力」が強まってきたということです。
そんな局面で大陽線をつけたということは、「売りポジションを持った人たちの損切り(買い注文)が一斉に入ったから」だと考えられます。
損切りが終わると、いよいよ「買い勢力」がほとんどいなくなって、一転して下降トレンドへ向かっていくというわけです。
安値圏で大陰線をつけた場合も同じです。
買いポジションを持った人たちの損切りが一斉に入って大陰線をつけた後、いよいよ「売り勢力」がほとんどいなくなって、上昇トレンドへ向かっていくと考えられます。
【まとめ】ローソク足は奥が深い
今回は、ローソク足の基本と、大陽線を例にした実際の分析方法を紹介しました。
ローソク足に注目することで、さまざまな情報を読み取れることが、わかっていただけたのではないでしょうか。
ローソク足については、今後シリーズ化して、さらに詳しい内容をお伝えしていく予定です。
一本のローソク足だけでなく、前後のローソク足や、チャート全体を見ていけるようになると、より強い根拠を持ってエントリーできるようになります。
ぜひ、今後の記事もご覧になってください!
今回の動画はこちらです。