こんにちは松井です。
今回は、「FXで稼げるトレードスタイル」について解説していきます。
おもなトレードスタイルの特徴だけでなく、トレードの勝敗を分ける根本的な原因も紹介します。
これからFXを始めたい初心者の人はもちろん、トレードスタイルが定まっていない人にもおすすめできる内容になっています。
ぜひ、最後までご覧になってください。
この記事で得られること
- FXの3つのトレードスタイルの特徴を理解できる
- トレードの勝敗を分ける根本的な原因を理解できる
目次
FXで稼げる3つのトレードスタイル
まず初めに、FXの取引の基本的な流れのおさらいです。
基本的な流れ
- 新規で注文を入れる
- ポジションを保有する
- 決済する
FXの基本については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
FXの基本を踏まえたうえで、FXのトレードスタイルを比較してみましょう。
FXのトレードスタイルは、ポジションを保有する時間によって大きく3種類に分けられます。
FXのおもなトレードスタイル
保有時間が短いものから順に、
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
トレードスタイルを比較するために注目すべきポイント
それぞれのトレードスタイルを比較するうえで、注目すべきポイントは6つあります。
注目すべきポイント
- 保有時間
- エントリー回数
- 時間軸
- ロットと値幅
- 値動きの分析方法
- スワップポイント
1.保有時間
「保有時間」とは、ポジションを保有する時間のこと。
2.エントリー回数
保有時間が長くなるほど、「エントリー(新規で取引を始める)回数」は少なくなります。
3.時間軸
「時間軸」とは、実際に取引するときに注目する時間足のこと。
時間足とは
「時間足」とは、1本のローソク足が表す時間のことです。
たとえば、1本のローソク足で一日の値動きを表したものを「日足(ひあし)」と言います。
時間足は時間の長さによって、
- 4時間足
- 1時間足
- 15分足
- 5分足
などさまざな種類があります。
ローソク足とは
「ローソク足」とは、一定期間の値動きを表したものです。
1本のローソク足には4つの情報が含まれています。
- 始値
- 終値
- 高値
- 安値
ポイント
ローソク足が集まったチャートのことを「ローソク足チャート」といって、FXの取引ではもっともポピュラーなチャートの一つです。
ローソク足については下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧になってください。
4.ロットと値幅
トレードスタイルによって、
- 一回に取引する金額の大きさ
- 狙う値動きの大きさ
が変わってきます。
ポイント
FXでは、取引する金額の大きさを「ロット」という単位で表します。
値動きの大きさ=「値幅」とは
新規で注文を入れてから決済するまでの差額の大きさのことです。
pips
FXでは、値幅を「pips(ピップス)」という単位で表します。
米ドル/円の場合、1pipは0.01円(1銭)です。
たとえば、1ドル123.456円から123.486円に動いたとき、「0.03円=3pips上がった」といいます。
ロットとピップスについては下記の記事をご覧ください。
5.値動きの分析方法
FXの値動きの分析方法は、大きく分けて2つあります。
値動きの分析方法
- 過去の値動きから今後の値動きを予測する「テクニカル分析」
- 経済状況から値動きを予測する「ファンダメンタルズ分析」
テクニカル分析は、すべてのトレードスタイルで重要です。
一方、ファンダメンタルズ分析の重要度は、トレードスタイルによって変わります。
一般的に、保有時間が長期になるほどファンダメンタルズの影響が強くなるからです。
こちらのグラフをご覧ください。
このグラフは、過去20年間の「円相場(米ドル/円)」と、「日米の実質金利差」を表したものです。
円相場と実質金利差が、似たような形で推移していることがわかります。
分析方法の重要度をまとめると次のようになります。
スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | |
テクニカル分析の重要度 | 大 | 大 | 大 |
ファンダメンタルズ分析の重要度 | 小 | 中 | 大 |
6.スワップポイント
「スワップポイント」とは、各国の金利差のこと。
国によって金利には差があります。
日本は世界的に見ても低金利ですが、一方でオーストラリアのように金利が非常に高い国もあります。
FXでは、たとえば「日本円で豪ドルを買う」というように、金利が低い国の通貨で高い国の通貨を買うことで、金利差をスワップポイントとして受け取ることができるんです。
これは、銀行でのやりとりに置き換えるとわかりやすいと思います。
日本円で豪ドルを買うということは、日本の銀行から預金を引き出して、オーストラリアの銀行に預けるようなもの。
銀行に預金する場合、利息が発生するのは半年に1回ほどです。
それに対してFXの場合は、スワップポイントは毎日(1日ごとに)発生します。
なので、日をまたいでポジションを保有するトレードスタイルの場合は、毎日スワップポイントを受け取ることができます。
注意ポイント
ただし、豪ドルで日本円を買うといったように、金利が高い国の通貨で低い国の通貨を買うと、逆にスワップポイントを支払うことになるので要注意です。
3つのトレードスタイルの特徴
- 保有時間
- エントリー回数
- 時間軸
- ロットと時間軸
- 値動きの分析方法
- スワップポイント
これら6つの注目ポイントを踏まえて、それぞれのトレードスタイルでどのような違いがあるのか解説していきます!
スキャルピング | デイトレード | スイングレード | |
保有時間 | 数秒~5分 | 一日以内 | 数日以上 |
エントリー回数 | 10~20回 | 1~3回 | 数日~数週間に1回 |
時間軸 | 1分足~5分足 | 5分足~1時間足 | 4時間足~週足 |
ロット/値幅 | 大きい/小さい | 中くらい/中くらい | 小さい/大きい |
値動きの分析方法 | テクニカル(大)/ファンダメンタルズ(小) | テクニカル(大)/ファンダメンタルズ(中) | テクニカル(大)/ファンダメンタルズ(大) |
スワップポイント | 影響なし | 時と場合による | 影響あり |
1.スキャルピング
保有時間 | 数秒~5分 |
エントリー回数 | 10~20回 |
時間軸 | 1分足~5分足 |
ロット/値幅 | 大きい/小さい |
値動きの分析方法 | テクニカル(大)/ファンダメンタルズ(小) |
スワップポイント | 影響なし |
「スキャルピング」は、10pips(米ドル/円なら0.1円)ほどの小さな値幅を積み重ねていくトレードスタイルです。
スキャルピングでは、保有時間が短い分、エントリー回数は多くなります。
エントリー回数が多くなるということは、意思決定の回数が多くなるということ。
意思決定の回数が多くなるほど、精神的な負担は大きくなります。
注意ポイント
FX会社の中には、「サーバーに負荷がかかる」といった理由からスキャルピングを禁止している業者もあります。
※「DMM」、「GMO」、「SBI」など。
スキャルピングが禁止されているのにやってしまうと、口座を凍結されるリスクがあるので、必ず事前に確認しておきましょう。
ポイント
スキャルピングは一時的な値動きの影響を強く受けるので、ファンダメンタルズの影響は限定的です。
その分、テクニカル分析が重要になります。
ポイント
日をまたいでポジションを保有することがないので、スワップポイントの影響はありません。
2.デイトレード
保有時間 | 一日以内 |
エントリー回数 | 1~3回 |
時間軸 | 5分足~1時間足 |
ロット/値幅 | 中くらい/中くらい |
値動きの分析方法 | テクニカル(大)/ファンダメンタルズ(中) |
スワップポイント | 時と場合による |
「デイトレード」は、スキャルピングとスイングトレードの中間に位置します。
スキャルピングと比べると保有時間が長くなるので、少ない金額で大きな値幅を狙うことができます。
ポイント
ファンダメンタルズの影響はスイングトレードほど大きくはありません。
ただし、前もって経済指標が発表されることがわかっている場合(アメリカ雇用統計や金利政策の発表など)は、注意する必要があります。
ポイント
スワップポイントは、日をまたいでポジションを保有する場合だけ意識する必要があります。
3.スイングトレード
保有時間 | 数日以上 |
エントリー回数 | 数日~数週間に1回 |
時間軸 | 4時間足~週足 |
ロット/値幅 | 小さい/大きい |
値動きの分析方法 | テクニカル(大)/ファンダメンタルズ(大) |
スワップポイント | 影響あり |
「スイングトレード」では、数日以上、人によっては数週間以上、ポジションを保有します。
とくに保有期間が長期の場合を、スイングトレードと区別して「長期トレード」、「ポジショントレード」と呼ぶ人もいますが、ここでは数日以上の取引スタイルをまとめて「スイングトレード」と表現します。
スイングトレードは、スキャルピングと真逆のトレードスタイルです。
10pips程度の値動きを狙う人が多いスキャルピングに対して、スイングトレードでは100pips程度を狙う人が多いです。
注意ポイント
土日をまたいでポジションを保有する場合、窓開けのリスクがあります。
参考:窓開けとは
ポイント
保有時間が長くなるスイングトレードでは、ファンダメンタルズの影響を受けやすいので、ファンダメンタルズ分析の重要度が高くなります。
ポイント
ポジションの保有期間が長いので、仮に値動きがなくてもスワップポイントの影響を強く受けます。
トレードスタイルの選び方
- 「初心者にスキャルピングは向かない」
- 「副業にはスイングトレードがおすすめ」
などと言われることもありますが、もしそういう話を聞いたら、ちょっと主観的で偏った意見じゃないかと疑ったほうがいいです。
というのも、どのトレードスタイルでも結果を出して成功している人はいるからです。
トレードスタイルに正解はありません。
大切なのは、「自分に合ったトレードスタイルを見つけること」です。
今回紹介したトレードスタイルの特徴を理解したうえで、実際に取引しながら探っていく必要があります。
ちなみに、僕はデイトレードがメインです。
「1日に何度もエントリーしたくない」というのが一番の理由です。
確実な根拠を積み上げれば、一日数回のトレードでも十分な利益を出せますし、気持ち的にも楽です。
僕の性格上、ポジションを持ったまま寝ると気になってしまうので(笑)、一日で完結できるデイトレードをメインにやっています。
ただ、これはあくまで僕の場合です。
繰り返しになりますが、大切なのは「自分に合ったトレードスタイルを見つけること」です。
ぜひ、あなたに合ったトレードスタイルを探してみてください。
すべてのトレードスタイルに共通する原理原則
トレードスタイルに正解がないとはいえ、3つのトレードスタイルに共通する原理原則というものは存在します。
最後に、FXの勝敗を分けるポイントを紹介します。
FXの勝敗を左右する一番のポイント、それは、
「長期足は短期足を支配している」
ということ。
エントリーするときに注目する時間足、たとえばスキャルピングの場合はおもに1~5分足を見ていくことになりますが、こういった短期間の時間足は、より長期間の時間足の影響を受けます。
といっても分かりづらいと思うので、実際にチャートを見ながら解説していきます。
こちらは、5分足のチャートです。
値動きを見てみると、高値と安値をを切り下げて下落に進んでいる「下降トレンド」であると言えます。
「今は下降トレンドの最中だから、売りの注文を入れよう」となるかもしれません。
ところが、同じ時間帯をより上位足の4時間足で見るとどうでしょう。
値動きを見てみると、高値と安値を切り上げて上昇に進んでいる「上昇トレンド」であると言えます。
このように、同じ時間帯でも注目する時間足によって、トレンドの方向が変わることがあるんです。
売り(ショート)を入れるのか、買い(ロング)を入れるのか決断するときは、より上位の時間足を見ることができれば、安易に注文を入れて失敗することを防げます。
「長期足は短期足を支配している」
これは、FXの基本であると同時に、勝敗を分ける根本的な要因です。
より長期の時間足を見ることを知っているだけで、結果には天と地ほどの差が出ます。
【まとめ】あなたに合ったトレードスタイルを見つけよう
今回は3つのトレードスタイルを紹介しました。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
トレードスタイルに正解はありません。
トレードスタイルの特徴を理解したうえで、あなたに合ったスタイルを見つけることが重要です。
とはいえ、どのトレードスタイルにも共通する原理原則はあります。
「短期足は長期足の影響を受ける」
ということを覚えておいてください。
今回の動画はこちらです。