こんにちは松井です。
FXには、少ない資金でも大きな金額を稼げる「レバレッジ」という仕組みがあります。
FXに興味がある人なら、一度は学んだことがあるかもしれません。
とはいえ、「レバレッジ=危ないもの」と誤解している人も多くいます。
一般的な解説には、「ハイレバレッジは危険」という印象を与えるもが多いからです。
でも実際は、レバレッジが高いほど安全です。
今回は、正しいレバレッジの仕組みを解説していきます!
この記事で得られること
- レバレッジの意味がわかる
- ハイレバレッジが危険ではない理由がわかる
目次
レバレッジの基本
レバレッジの正しい理解のために、必要な知識を確認しておきましょう。
FXでは、FX業者の口座に入金した資金を担保に取引を行います。
口座に入金した資金の中から、取引に使う担保(証拠金)を決めて、証拠金に応じて取引可能額が決まるわけです。
基本的には「証拠金=取引可能額」ですが、レバレッジをかけると、より大きな取引ができるようになります。
レバレッジとは
「レバレッジ」とはてこの原理のこと。
てこの原理を使えば小さな力で重いものを動かせるように、レバレッジをかければ少ない証拠金でより多くの利益を期待できます。
たとえば10万円の証拠金で10倍のレバレッジをかけた場合、取引可能額は
10万円×10(倍)=100万円
になります。
レバレッジには、2種類あります。
2種類のレバレッジ
- 最大レバレッジ
- 実効レバレッジ
最大レバレッジの計算方法
「最大レバレッジ」は、証拠金の何倍の取引が可能かを表します。
日本国内のFX業者の場合、最大レバレッジは25倍まで。
4万円の証拠金で100万円分の取引ができるということです。
4万円×25(倍)=100万円
ポイント
現在、金融庁によって最大10倍までの規制が検討されています。
海外のFX業者の場合、たとえば僕が使っている「XM」では、最大レバレッジは888倍まで。
わずか1,100円の証拠金で100万円分の取引できてしまいます。
約1,100円×888(倍)=100万円
実効レバレッジの計算方法
「実効レバレッジ」は、口座残高の何倍の取引をしているかを表します。
実効レバレッジ=保有しているポジションの総額÷口座残高
たとえば、
- 口座残高が10万円あって、
- 1ドル=100円のときに
- 1万ドル(100万円分)買った場合、
実行レバレッジは次のようになります。
実行レバレッジ=100万(円)÷10万(円)=10倍
ここで注意したいのが、取引の損益は、(証拠金ではなく)口座残高に加算されるということです。
【利益があった場合】
【損失があった場合】
保有しているポジションの値動きがあると、口座残高が増減するので、実効レバレッジは常に変動します。
たとえば、先の例で1ドル=99円に値下がりした場合、
- 保有ポジションの総額が1万円下がって、
- 口座残高から1万円引かれて、
実効レバレッジは次のようになります。
実効レバレッジ=99万(円)÷9万(円)=11倍
ただし、XMのようにレバレッジが固定で含み損益によって変動しない業者もあります。
損失が大きくなって口座残高が一定の水準を下回ると、損失が大きくなりすぎないうちに自動的に損切り決済(強制ロスカット)されます。
強制ロスカットの基準
強制ロスカットの基準になるのが「証拠金維持率」です。
証拠金維持率とは簡単にいうと、「口座残高にどれだけ余裕があるか」を表します。
- 証拠金維持率=有効証拠金÷必要証拠金×100
- 有効証拠金=口座残高+含み損益(まだ確定していない損失や利益)
「含み損」が膨らむと有効証拠金が少なくなって、証拠金維持率も下がります。
証拠金維持率がある一定のラインを下回ると、強制ロスカットされる仕組みです。
ポイント
強制ロスカットの基準となる証拠金維持率は、FX会社によって異なります。
たとえば「XM」の場合は、証拠金維持率が50%を切ると「マージンコール(通知)」が来て、20%を切ると強制ロスカットされます。
以上を踏まえたうえで、なぜレバレッジが高いほど安全なのかを解説していきます。
レバレッジのよくある解説
まずはよくある一般的な解説です。
口座残高が100万円あるとしましょう。
このときの取引可能額は、
ポイント
- レバレッジをかけない場合は100万円
- 10倍のレバレッジをかける場合は1,000万円
になります。
1ドル=100円なら、
ポイント
- レバレッジをかけない場合は1万ドル
- 10倍のレバレッジをかける場合は10万ドル
買えることになりますね。
その後、1ドル110円に値上がりしたとしましょう。
ポイント
- レバレッジをかけなかった場合は10万円の利益
- 10倍のレバレッジをかけた場合は100万円の利益
になります。
一方、1ドル90円に値下がりしたとすると、
ポイント
- レバレッジをかけなかった場合は10万円の損失
- 10倍のレバレッジをかけた場合は100万円の損失
になります。
10倍のレバレッジをかけた場合、この時点で口座が空になってしまいます。
でも、10倍のレバレッジをかけたからといって、10倍の額を取引しなければいけないわけではないです。
正しくは、次のような理解になります。
レバレッジの正しい理解
100万円分の取引をするために必要な証拠金は、
ポイント
- レバレッジをかけない場合は100万円
- 10倍のレバレッジをかける場合は10万円
になります。
1ドル=100円で1万ドル(100万円分)買って、その後90円に値下がりした場合、
損失はレバレッジの倍率にかかわらず10万円になります。
つまり、損益の大きさはレバレッジの倍率ではなく、ポジションの量によって決まるということです。
ポジションの量は自分で決めることができます。
ポジションの量を適切にコントロールできれば、レバレッジにはメリットしかありません。
レバレッジのメリット
- 必要な証拠金が圧倒的に少なくなる
- 強制ロスカットのリスクが低くなる
必要な証拠金が圧倒的に少なくなる
レバレッジが高くなるほど、必要な証拠金が少なくなります。
【100万円分の取引に必要な証拠金の比較】
レバレッジ | 必要な証拠金 |
1倍(レバレッジなし) | 1,000,000円 |
10倍 | 100,000円 |
25倍(国内業者の上限) | 40,000円 |
888倍(XMの上限) | 1,126円 |
ハイレバレッジのメリットは、大きな額を取引できるというよりは、少ない証拠金で大きな利益が期待できること。
たとえば888倍のレバレッジをかければ、100万円の証拠金で9億円近い額を取引できてしまいます。
でも、いくら分の取引をするかはあなたの自由です。
同じ100万円でも、888倍のレバレッジをかければたったの1,100円の証拠金で取引できる。
レバレッジが高くなって必要な証拠金が少なくなるほど、金銭的にも精神的にも余裕をもって取引できるわけです。
強制ロスカットのリスクが低くなる
レバレッジのメリットは、必要な証拠金が少なくなるだけではありません。
レバレッジの倍率が高いほど、強制ロスカットされづらくなるんです。
国内のFX業者と海外のFX業者(XM)を例に、強制ロスカットのリスクを比較してみましょう。
1ドル=100円のときに1万ドル買うために必要な証拠金は、
ポイント
- レバレッジ倍率が25倍の場合は4万円、
- レバレッジ倍率が888倍の場合は約1,100円
になります。
その後、1ドル=94円まで値下がりしたとしましょう。
-6円×10,000(通貨)で、損失は、どちらも6万円になりますね。
取引の損益は、(証拠金ではなく)口座の残高に加算されます。
なので、口座の残高、つまり有効証拠金は、どちらも4万円になります。
強制ロスカットの基準は業者によって異なりますが、仮に証拠金維持率が100%で強制ロスカットされるとするとしましょう。
証拠金維持率=有効証拠金(口座残高)÷必要証拠金×100
レバレッジが25倍の場合
レバレッジ倍率が25倍の場合は、
証拠金維持率=4万円(有効証拠金)÷4万円(必要証拠金)×100=100%
になるので、この時点で強制ロスカットされてしまいます。
レバレッジが888倍の場合
一方、レバレッジ倍率が888倍の場合は、
証拠金維持率=4万円(有効証拠金)÷1,126円(必要証拠金)×100=約3,652%
と、まだまだ余裕があります。
なぜ借金してしまう人がいるのか
とはいえ、FXで借金してしまう人がいるのは事実です。
たとえば、高いレバレッジをかけてポジションを持ちすぎてしまうと、相場の急変が起こったときに強制ロスカットが間に合わず、「追証(おいしょう)」といって、追加で証拠金を求められることがあります。
あるいは、口座に入れるお金自体が借金だったなんてことも。
参考:FXのデメリット|「FXには借金のリスクがある」って本当⁉
問題は高いレバレッジではなく、ポジションを取りすぎてしまうことです。
いくらハイレバレッジであろうと、適切なポジションの量でリスクをコントロールできれば、借金を背負ったり、まして破産することはまずありえません。
今回紹介した「XM」では、888倍のレバレッジに加えて、万一口座残高がマイナスになってしまっても、マイナス分を会社が負担してくれる「ゼロカットシステム」という仕組みがあります。
口座残高よりも損失が大きくなることはないということです。
【まとめ】リスクのコントロールが大切
ポジションの量をコントロールできれば、レバレッジにはメリットしかありません。
FXのメリット
- 必要な証拠金が圧倒的に少なくなる
- 強制ロスカットのリスクが低くなる
過度に恐れるのではなく、正しく理解することが大切です。
そのうえで勝てるノウハウや考え方を学んでいけば、誰でも安全に資金を増やしていけるようになります。
今回の動画はこちらです。